「グッとくる上京ソング」大特集! 「関ジャム」3月24日(日)放送

もうすぐ4月。この季節になると、進学や就職で上京してくる人や、かつて上京したときのことを思い出す人も多いはず……ということで、3月24日(日)の『関ジャム』では、「グッとくる上京ソング」が大特集されました!

解説ゲストは2名。

いしわたり淳治
元スーパーカーのギタリストであり、解散後はバンド系を中心に数多くのアーティストを手掛ける。また様々なアーティストに詞も提供し数えきれない程の代表曲を持つ、現在の日本を代表する作詞家の一人。

寺岡呼人
自身のアーティスト活動と並行してプロデュース活動を行い、ゆず、植村花菜「トイレの神様」、グッドモーニングアメリカ、八代亜紀など多彩に手掛ける。現在、再結成を果たしたJUN SKY WALKER(S)ベーシストとしても活動。

寺岡さんによると、上京するときに人が抱く想いはそれぞれ違うため実は曲にも色々なパターンがあり、法則性がないことが上京ソングの面白さだといいます。
また、いしわたりさんによれば、上京ソングのグッとくるポイントは対比や言葉のギャップなどが歌詞でしっかり描かれていることとのこと。

番組では、上京を経験した10代~50代の視聴者にアンケートを実施し、上位にランクインした思い入れの強い上京ソングを発表。果たしてどんな楽曲が人々の心を掴んだのでしょうか?

 

1位 「木綿のハンカチーフ」(’75)/太田裕美
(作詞:松本隆 作曲:筒美京平)

70's~80's シングルA面コレクション/太田 裕美

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【いしわたり淳治コメント】
AメロとBメロで男女の目線が明確に入れ替わる、というスタイルは珍しい気がします。

・Aメロの歌詞(男性目線)・・・牧歌的で明るい感じ。都会で心変わりしていく様子。
・Bメロの歌詞(女性目線)・・・切なく激しい感じ。変わっていく男性を涙ながらに受け入れる様子。

※寺岡さんによると、松本隆(ロックバンド「はっぴいえんど」の元ドラマー)の挑戦的な詞に対し、作曲の筒美京平がすぐさま曲を付け、完成度の高い歌謡曲を作り上げた。歌謡曲を少し下にみていた松本は、以降、歌謡曲もリスペクトするようになった……と言われている、とのこと。

 

2位 「なごり雪」(’75)/イルカ
(作詞・作曲:伊勢正三)

※moraでの配信はありません。

【寺岡呼人コメント】
電車のホームという世界の中だけで、時間の幅を描く表現が圧倒的です。
「君のくちびるがさようならと動くことが こわくて下をむいてた」
この表現にやられました。

 

3位 「上・京・物・語」(’94)/シャ乱Q
(作詞:まこと 作曲:はたけ)

シャ乱Qベスト ~四半世紀伝説/シャ乱Q

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【いしわたり淳治コメント】
AメロBメロでは目の前で起きている出来事が描写され、それがサビでは、客観的な視点の言葉に変わります。その情熱と冷静の対比が素晴らしいと思います。

 

4位 「YELL」(’09)/いきものががり
(作詞・作曲:水野良樹)

超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~/いきものがかり

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【いしわたり淳治コメント】
サビの「サヨナラは悲しい言葉じゃない」の一言が印象的です。
個人的には卒業ソングという印象でしたが、別れに対する前向きな言葉たちが、上京する多くの人の心に響いているのだと思います。

 

5位 「遠く遠く」(’92)/槇原敬之
(作詞・作曲:槇原敬之)

君は僕の宝物/槇原敬之

AAC

【いしわたり淳治コメント】
身の回りの描写から、サビでの世界の広がりにグッときます。
「同窓会の案内状」は誰もが共感できる秀逸な表現だと思います。

【寺岡呼人コメント】
聴く人が自分を投影できる歌詞が素晴らしいです。
これぞ究極の上京ソングだと思います。

 

6位 「東京」(’74)/マイ・ペース
(作詞・作曲:森田貢)

ゴールデン☆ベスト マイ・ペース/マイ・ペ-ス

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【いしわたり淳治コメント】
普通の遠距離恋愛の歌なら「会えない」切なさを歌うところを、「結構 会える距離だけど 帰る時いつも寂しい」みたいなところがテーマになっていて、これはだいぶ珍しいタイプだと思います。
レアなケースの細分化したことで、個性が際立つ曲になっていると思います。

 

7位 「TOKYO」(’06)/YUI
(作詞:YUI 作曲:COZZi)

ORANGE GARDEN POP/YUI

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【いしわたり淳治コメント】
「古いギターを持って写真を置いてきた」という伏線と、「何かを手放して 何かを手に入れる」という回収が綺麗です。
ミニマムな言葉運びの中に、青春時代のものスゴくたくさんの感情が詰まっている感じがします。

 

8位 「東京」(’98)/くるり
(作詞・作曲:岸田繁)

ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER/くるり

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【寺岡呼人コメント】
歌詞中の「君」は本当に存在するのか?もし、(存在)しないのならば孤独の象徴としての「君」を用いた「上京ソング」はこの曲だけではないだろうか。そんなこのとを考えながら聴きました。

 

9位 「星になれたら」(’92)/Mr.Children
(作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿・寺岡呼人)

Mr.Children 1992-1995/Mr.Children

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※シングルカットされていないにも関わらず、リリースから25年以上経った今も歌い継がれている。

【寺岡呼人コメント】
自分自身が制作に携わった、アマチュア時代からある曲。
JRのCM曲が当時売れていたので、「これはJR東海のCMのイメージでいこう」と冗談で言いつつ作られました。
仮タイトルはその名も「JR」。

 

10位 「案山子」(’77)/さだまさし
(作詞・作曲:さだまさし)

私花集<アンソロジィ> (2016リマスター)/さだまさし

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【いしわたり淳治コメント】
気を抜くと泣いてしまいそうです。
北国出身で、昔気質の気難しい父を持つ私にとって、1番リアルに響く上京ソングです。
圧倒的に美しい情景描写は さださんにしか表現できない世界だと思います。